自分の歯を少しでも残すためのダイレクトボンディング治療
9月になってもまだまだ暑い日が続きますね。
理事長の遠藤です。
ナチュラルデンタルオフィスグループは、
常に歯科医療の知識と技術のアップデートを目指しており、
定期的にグループに全国から著名な歯科医師の先生をお呼びして
橋本会という勉強会を行なっています。
先週の日曜日はその勉強会の日でした。
今回は、盛岡から佐藤貴彦先生にお越しいただきました。
当日は、台風が近づいており、悪天候の中無事お迎えできるか心配しておりましたが、
グループ内のナチュラルデンタルオフィス橋本にはセミナールームを完備しており、
そちらで予定通り開催することができました。
先生は、歯周病専門医でありながら低侵襲かつ精密で審美的なダイレクトボンディング治療にも精通しており、
著書も刊行しています。
今回はそんな佐藤先生からダイレクトボンディング治療を
マイクロスコープを使ったハンズオン(実習)も含めて
ナチュラルデンタルオフィスグループ全体の歯科医師で受講しました。
実は6年半前にも当グループにプライベートセミナーとして先生にはお越しいただいており、
我々グループは先生に指導していただいてからダイレクトボンディングを診療メニューに加えました。
ダイレクトボンディングとはどういう治療??
なかなか歯科医療の中でも聞いたことがない患者さんもまだまだ多いと思います。
むし歯になってしまい、削らなければならなくなってしまった歯の穴があいてしまった箇所を
レジンという材料を使って、歯の形態や色調を回復する治療です。
レジンを使った治療は保険診療の範囲内でもありますが、
ダイレクトボンディングは自由診療であることから
保険診療のルールを気にせず、最大限の治療が可能になることが大きなメリットです。
つい最近、治療した症例を参考にしながら説明します。
① 上の奥歯ですが、むし歯はないように見えます。
② 削っていくと、歯と歯の間からむし歯になっていました。
ただ、むし歯は隣り合う歯と歯の間に限局していました。
噛む面にはむし歯はありませんでした。
例えば金属の歯をここに装着するためには噛む面も削らなければなりません。
そうすると健全な歯も削ることになってしまいます。
③ 手用の器具を使って丁寧に徹底的にむし歯だけを除去します。
やはり、噛む面にむし歯は広がっていません。
④ 隣接面だけにむし歯が現局していたので、治療方法としてダイレクトボンディングを選択しました。
⑤ ラバーダムをしたままコンポジットレジンを充填しました。
⑥ 噛み合わせの調整も行なって、研磨したところです。
健全な歯を最大限に残すことができました。
上記は1例になりますが、このようにダイレクトボンディングという治療のお陰で
天然歯を少しでも残すことが可能になりました。
ダイレクトボンディング治療は、症例にもよりますが、
天然歯の最大限の保存を目的とした治療になります。
そんなダイレクトボンディングですが、学生時代に習う歯科医療ではありません。
卒業後、歯科医師になってから自分たちで勉強・習得する必要があります。
そのため、今回は実習を中心にセミナーを行いました。
まずは、先生のデモです。
ダイレクトボンディングは精密に行うため、拡大視野での処置が必須になります。
今回のセミナーでは、マイクロスコープを使用することでリアルタイムで
先生が行なっている手技を、
その拡大率で画面上で共有することができたので、
受講する側としては非常に勉強になります。
そのデモを踏まえて、各自実習に取り組みました。
ナチュラルデンタルオフィス南大沢でもそうですが、
我々のグループではマイクロスコープによる歯科医療を普通に行なっているので、
ほぼほぼのチェアにマイクロスコープがあり、
大きなモニターもあることで
マイクロを使った診療を行い、それを即座に確認できる上に
録画してすぐに見ることができる状況にしています。
模型上で練習したものをその場で先生に確認してもらい、
直さなければいけないところも
その場ですぐに先生が実行してくれてそれを共有ができるので、
とても勉強になりました。
1日みっちり実習を中心に行いました。
ダイレクトボンディングは症例選択も重要になるため、
全ての歯に適用というわけではないですが、
メリットも非常に多い治療になります。
これから患者さんの治療していく中でも
ナチュラルデンタルオフィスグループとしては歯科医師が
説明することもあると思いますが、
よく説明を聞いていいただき選択していただけたらと思います。
既に来年の橋本会のスケジュールも決まっていますが、
これからもより良い歯科医療を患者さんに提供できるよう、常にアップデートできるよう歯科医師全員で精進致します。