ベーシックから見直す歯周外科トータルセミナー アドバンス編
こんにちは、院長の近山です。
以前受講した岩野義弘先生の
「ベーシックから見直す歯周外科トータルセミナー」
のアドバンス編を新たに受講しました。
今回は「歯周組織再生療法」に関して学んできました。
そもそも歯周外科治療は、その目的によって
・組織付着療法
・切除療法
・歯周組織再生療法
・歯周形成手術
の4種類に分類されています。
それぞれがどういった治療法なのかは
少し細かいお話になってしまうので割愛しますが、
今回のテーマである歯周組織再生療法は
失われた歯周組織(歯肉、歯根膜、セメント質、歯槽骨)を
再生させることを目的としています。
歯周組織再生療法の歴史は、Nymanという先生が
遮断膜(barrier membrane:GTR膜)というものを用いて、
ヒトにおいて初めて歯周組織再生に成功しました。
これが1982年、今から約40年前のことです。
それ以来、様々な基礎研究・臨床研究が進み、
いくつかの材料や薬剤が臨床応用されるようになりました。
現在、日本における日常臨床でも、
ヒトの骨や動物の骨、人工骨、遮断膜、
エムドゲイン® やリグロス®といった薬剤などを応用した手術法が行われています。
また、材料や薬剤だけではなく、
歯ぐきの切開・剥離・縫合の方法といった術式に関しても
非常に多くの方法が生み出されてきました。
その背景には、拡大鏡やマイクロスコープの導入で
拡大視野下での治療が可能になったことが強く影響し、
より低侵襲な術式が脚光を浴びるようになりました。
しかし、その根底にあるのは、
以前のブログでも記載させてもらったように、
切開・剥離・縫合によって治療結果に雲泥の差が生まれるので、
いかにきれいに素早く治癒に導けるのかということが
何よりも大事に考えられてきたのです。
講師の岩野先生は、歯周病の指導医としてご活躍され、
日々多くの歯周外科治療を手掛けています。
そんな岩野先生が、特に有用であると考えておられる
いくつかの術式について講義、実習をしていただきました。
受講者それぞれが豚の顎で実習する前に、
岩野先生が実演してくださったのですが、
繊細で美しい手技がとても素晴らしく、
日々の積み重ねがいかに大事かということを感じました。
今、私の中で歯周病治療の奥深さ、面白さが
どんどん膨らんできています。
「鉄は熱いうちに打て」の精神で、これからも研鑽を積んでいきます。